弦巻楽団#25「果実」
Introduction
事故に遭い眠り続ける女と、
両親に恋人になってくれと頼まれたかつての同級生による、
深く、静かに胸を打つ、存在と悲しみについての物語。
ある年配の夫婦に無理やり病院へと連れてこられた桃太郎は、昏睡状態で意識のない二人の娘・杏の恋人役を演じて貰えないか、と依頼される。杏は桃太郎が高校時代に密かに初恋を抱いていた相手だった。二人の強引な依頼に杏の「恋人役」を演じていく桃太郎。やがて、桃太郎には杏の声が聞こえるようにー。昏睡状態で眠り続ける杏と、それを取り巻く人間模様、直面する生と死。「命」とは、「生きている」とは何か。
桃太郎役を2009年上演時の村上義典、2012年上演時の深浦佑太のダブルキャストで贈る、弦巻楽団だいたい10周年記念公演第1弾。舞台美術に彫刻家・藤沢レオを迎え、意匠も一新し10周年記念作品にふさわしい「果実」をお届けします。
[弦巻楽団プロフィール]
脚本家、演出家の弦巻啓太が「様々な演劇人とのコラボレーションの場」として2003年に設立した、札幌を拠点に活動する劇団。2006年より本格的に活動を開始、今年でだいたい10周年。ウェルメイド・コメディを中心に様々なジャンルの作品を上演。その分かり易い語り口と人間への深い洞察に満ちた豊かな『物語』で、確固たる支持を得ている。
2015年5月には代表作の一つ「死にたいヤツら」を韓国・光州で公演し初の海外公演を経験。その後、同作で9月に北海道3年ツアー、11月には再び韓国へ、ソウルとテジョンで上演し好評を得た。2016年は「札幌演劇シーズン2016-冬」参加の代表作「ユー・キャント・ハリー・ラブ!」の再演で劇団として初めての観客1000人越えを果たして幕を開け、演出家コンクール2014最優秀賞受賞記念公演「サウンズ・オブ・サイレンシーズ」東京・札幌公演、「四月になれば彼女は彼は」韓国&国内4都市公演、11月には10周年記念第2弾と、精力的に活動予定。